プライバシーモデル
何が記録され、何が記録されないのか。Tadoru の「既定値のままで安全」を支える多層防御。
Tadoru が扱うのは、マシン上で最も機微なデータのひとつ ——「あなたが一日中何をしていたか」です。だからこそ設計原則は「注意すれば安全に使える」ではなく「既定値のままで安全」です。
5 つの保証
- 外部送信なし。 データをどこかへ送る機能そのものがバイナリに存在しません。「無効化されている」のではなく「存在しない」。すべてはローカルの SQLite ファイルに留まります。
- 画面録画なし。 スクリーンショットも画面収録 API も使いません。読むのは OS のアクセシビリティ/イベントのメタデータだけです。
- キー入力の内容は既定で記録しない。 記録されるのは「この種類のフィールドで入力があった」という事実まで。何を打ったかは、明示的に opt-in しない限り記録されません。
- capture-time フィルタ。 除外したアプリ・サイトのイベントは、ストアに書き込まれる前に破棄されます。書かれていないものは、後から漏れようがありません。
- 読み出しは read-only。 MCP サーバは読み取り専用のビューです。agent はタイムラインを読めますが、記録対象を変えたりフィルタを弱めたりは決してできません。
既定構成で記録されるもの・されないもの
| 記録される | 記録されない |
|---|---|
| どのアプリが前面か、いつ切り替わったか | スクリーンショット・画面録画(一切) |
| ウィンドウタイトルとフォーカスの変化 | キー入力の内容(事実とフィールド種別のみ) |
| UI 操作(クリック・フォーカス移動)の要素メタデータ | パスワード欄(AXSecureTextField)の値 — 捕捉段階で除外 |
| 入力・スクロール・クリップボード操作の事実 | Chrome シークレットウィンドウの URL・タブ情報 — 決定的に判定し常に除外 |
| Chrome の URL とタブタイトル(通常ウィンドウのみ) | 除外アプリ(既定でパスワードマネージャ等)由来のすべて |
内容の記録は opt-in
設定で capture.text_content = true にすると、フィールド値や入力内容(ui.value・input.key・クリップボードの中身)の記録が有効になります。既定はオフで、Tadoru から有効化を促すことはありません。有効にした場合でも:
- パスワード欄は変わらず除外されます(secure field は捕捉段階で破棄)。
- redactor が捕捉値から検出可能な機密(メール・カード番号・トークン)をスクラブします。
自動除外(設定不要)
- パスワード欄 — macOS が secure text field と見なすものは捕捉段階で破棄されます。
- Chrome シークレットウィンドウ — Chromium は AppleScript でウィンドウのモードを決定的に返すため、incognito は常に除外されます。曖昧さがないので設定ノブもありません。
- 組み込みの除外アプリ — パスワードマネージャ・資格情報ストア(
1Password・Keychain Access等)はハードコードされた層で常に除外され、include_only_appsでも解除できません。config.tomlのexclude_appsに見える編集可能な既定値とは別レイヤーです。
redactor による二次防御
捕捉対象の値についても、プラガブルな redactor が検出可能な機密情報 — メールアドレス・クレジットカード番号・トークン(redactors = ["email", "credit_card", "token"])— をスクラブします。各イベントには redaction フィールドがあり、どのルールが適用されたかを下流でも判別できます。
正直に:残る限界
カバーしていないことを書かないプライバシー設計は不完全です。
- Chrome 以外のブラウザのウィンドウタイトル。 Safari や Firefox はプライベートウィンドウを確実に判定する手段がないため、URL 捕捉自体を行いません — しかしウィンドウタイトルは他のアプリ同様に記録されるため、プライベートウィンドウのページタイトルがタイトルとして残り得ます。完全に避けたい場合はブラウザ自体を除外してください:
tadoru filter exclude-app。 - Chrome incognito のウィンドウタイトル。 incognito 判定は URL 捕捉側にしかないため、incognito ウィンドウが
browser.navigateイベントを生むことはありません — しかしウィンドウタイトルは他のアプリ同様、アクセシビリティ経由のwindow.titleとして記録され得ます。完全に避けたい場合はブラウザ自体を除外してください:tadoru filter exclude-app。 - agent がデータを読んだ後のこと。 MCP サーバも CLI も外部送信はしませんが、タイムラインを読んだ agent は通常それを LLM プロバイダに送ります。そのホップは agent の管轄であり、Tadoru の管轄外です。同梱の skill ファイルには「送信前に対象範囲を絞る」よう明記しています。
同意と想定用途
Tadoru は自分のマシン上の・自分の・認知している操作を記録するツールです。他者の監視のためには作られておらず、そうした利用は地域によっては違法です。会社管理のデバイスで使う場合は、所属組織のポリシーに従ってください。